2016年08月17日

お知らせ

突然ですが
街一番の夜明け前 引っ越しします!

ikoraブログのエブリボデー
長らくありがとうございました!

くっそー、
ランキング一位やっぱ難しかった!

▼引っ越し先
https://note.mu/nda_073/m/mf8ae41b71f2f  


Posted by ンダ at 14:26Comments(0)

2016年07月23日

ポケモンGOは一ヶ月で飽きる。

歌は育つ。ぐんぐん育つ。

東北で歌うのは初めてだった。空き地、音楽の隙間。この歌だけはどうしてもこの場所でやりたい、そんなわがままもあっていいだろう。大船渡は東日本大震災で壊滅した街だ。現在、瓦礫は片付き、だだっ広い緑の荒野。地上にははじめに植物がやってくる、そんな遠い気分になるような風景。仮設住宅で出来た商店街の一角に、ライブハウスFREAKSはあった。「防音とかしてないっす、周りに家がないから大丈夫」と言うが、そりゃあ家はない、津波で流されたからね、何も言えない。

おれは歌う。"寄せて返す、波の調べ"(空き地)"どっかの街が流されて、知らんふりができる"(音楽の隙間)。真剣だ。ここにはおれのむき出しのロックンロールだけがある。緊張と解放。研ぎ澄まされる集中力に震えながら歌った。拍手が聞こえる。しだいに大きくなる拍手。しっかりと伝わるのだ、手応えを感じた。涙ぐんでいる。混乱しているが、気は確かである。

街を愛する心は、街を越えていく。
おれはそんなメモを取った。

旅は続く。

仁義なき戦い2016というツアーがあった。全国各地のライブハウスが選出した代表バンドが、その各地のライブハウスを回るというツアーで、おれにとっては自分より10歳程も若いバンドと数日を過ごすのが新鮮だった。楽屋での会話「打ち上げ代ない、どうしよう」「お前のとこ時給安いもんなー」そんな話をしているのだ。聞けば学生だと言う。若いエネルギーは凄まじく、強烈な連帯感で各地をツアーした。おれはそれを微笑ましく眺めていで、もう31歳になる。

仁義ツアーには一日空き日があったので、広島のドッグフード買い太郎という変な名前の友達に頼み、広島で投げ銭のライブをやらせてもらうことになった。これが良かった。対バンのモンキービジネス、アコースティックでやってるライブが最高だった。広島にはいい歌うたいがたくさんいる。本当にそう思った。CDをもらったのだが、それは、ゴリゴリのロックバンドのサウンドでひっくり返ったけれど、今の愛聴盤だ。ついつい聴いてしまう、ファックフォーエバー。

新しい音源"百憶の瞬間"を引っさげてのツアーは六月から長く続いた。それもいったん出雲でひと段落だ。すっかり暮れてしまった道を走り、出雲大社、稲佐の浜に寄り道した。帰りの中国山地の山越えは四時間にも渡り、山と霧と月明かりだけの風景が続く。時折、鹿の群れに遭遇した。慣れてくると、群れに遭遇する前に、獣の匂いがすることに気がついた。あぁ、そろそろ出るぞー。

和歌山に帰ってきた。
しばらく、地元にいるぞ。

ポケモンGOが配信された、という騒ぎなのでおれもやりはじめた。部屋にヒトカゲがいて、少し街を出歩けば、コラッタがいた。またコラッタ。あ、ポッポ。しばらくは地元を散歩するのが楽しくなりそうである。




  


Posted by ンダ at 13:30Comments(0)

2016年07月08日

アマチュアがプロになれないわけ

うーん。と、おれはうなっている。

和歌山ライブハウス大作戦というプロジェクトと立ち上げて半年が経った。今のところ、なにもかも完全に手探りでやっているところで、まだ掴めたものなんてほんの少しばかりだ。長い目で考えると、たった半年で分かりかけていることが多少でもあるのは、結構な成果だと思っている。だから、このことでうなっているのではない。

大作戦には月に一度か二度のミーティングがある。これは和歌山で活動してるアーティストであれば誰にでも参加して欲しい開かれた会だ。(もし参加したい人がいたら誰かと連絡を取り合ってね)。ここでは情報の交換をしたり、今後の予定を考えたりし合っている。ライブハウスで会う顔触れが居酒屋ではなくファミレスに集まっているのが妙に愉快だ。学生時代に戻ったかのようである。

またファミレスに集まった。

何気ない会話から、みんながブログをやっていることを知った。おれはそれをブックマークして、読み始めた。松本陽太、ジョニー清原、弾き語りさとる。それぞれである。中でも、さとるのブログには妙に癒されるものがあった。おれのこれとは対極で、簡単に言うとアイドルのようなあれである。うーん。いいなぁ。
✳︎さとるの弾き語り日記
http://s.ameblo.jp/sat-matsu/

ジョニーはいこらブログ。ここと同じだ。PVの数が伸びなくて、おれって嫌われてるのかな、と頭を抱えていて可笑しかった。PVとはどれだけの人に見てもらったかという数値だ。おれももちろん大したことない、お互いの管理画面を見せ合う。おれはたまたま更新したてだったこともあり、少しPVが伸びていたタイミングだったのでカッコつけることが出来た。せっかくだからランキング一位になりたいよねーって話をする。ちなみに一位は野球の話ばかりを書いているブログだ。ジョニー、競争だ。なかなか管理画面を見せ合うことってないから、楽しかった。
✳︎ジョニー清原の『年頃男子ビンビン白書』
http://johnny1229.ikora.tv

松本陽太のブログは一年前の春一番の記事で止まっていた。同じくいこらブログ。和歌山ライブハウス大作戦のミニコミ、作戦報告書での文章がとても面白いので、またブログも書いて欲しいものである。同じ世代で陽太くんはズバ抜けて和歌山の音楽シーンについて詳しい。
✳︎松本陽太『時代錯誤日記』
http://yota4913.ikora.tv

そして、おれもまたブログを書く。誰かに言われてやっていることじゃない。そもそも音楽も、旅も、誰かに言われてやっているわけではないのだ。それがおれのアマチュアなのであれば、アマチュアのままでプロになってやる。素人の反乱がはじまるぞ。



【音楽の隙間ツアー後半】

7月1日(金)和歌山BS.Spica 終了
7月2日(土)塚本ハウリンバー 終了
7月3日(日)神戸BROTHER&SISTERS 終了
7月5日(火)京都大丈夫 終了
7月9日(土)四日市BAR EAST
7月10日(日)和歌山ぶらくり丁商店街
7月12日(火)岩手FREAKS
7月15日(金)神戸BLUE PORT
7月16日(土)岡山CRAZY MAMA 2nd ROOM
7月17日(日)広島BAR外国
7月18日(月)出雲APPOLO
7月20日(水)大阪FIRELOOP
7月27日(水)和歌山OLDTIME
7月29日(金)京都拾得
7月30日(土)大阪FANDANGO
7月31日(日)大阪カンテグランデ
8月13日(土)四日市EAST
8月20日(土)和歌山OLDTIME
8月21日(日)大阪FANDANGO
8月28日(日)和歌山マリーナシティ
8月31日(水)京都磔磔

詳しくは
スケジュール
http://goo.gl/YFvNwi  


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2016年07月07日

どうして喫茶店は老舗になるほど冷房がきいているんだろう。

おれは今、西日の差し込む部屋にいて、もぬけの殻のように床に横たわり、退屈な心と向き合っているところである。ボタンの一つ壊れた扇風機が、中くらいの風を巻き起こしている。あんなに楽しかったようなことが、そうでもなかったような気がしている。分かるかな、こんな気分。分かってたまるか。分かってくれよ。死んだ目をしているのかもしれないね、今おれは。

書き溜めていた日記を読み返し、ずいぶん長い間、ぽっかりと何も書いていなかったことを知る。カレンダーを見返し、記憶を辿って書き始めてみるも、どうも上手くその瞬間の気分に戻ることが出来ない。たくさんの場所で歌った。

HONEY MAKERとのツアーから尾道からはじまった仁義なき戦いツアーに戻り、紀州編。ほとんどバンドの10組が出演した大トリで弾き語りをして、アコースティックのライブとは思えないほどの盛り上がりだった。おれは肩車されフロアで叫ぶ。最前列では怪我人が出ないか心配なほどのモッシュが起こっている。強烈な夜だった。

新しいサポートドラマーとの顔合わせを兼ねたスタジオリハがあった。エレキギターを掻き鳴らすのが気持ちよく、トリオバンドも悪くないなと思った。そもそもレコーディングとライブは別物という考えのおれである。良い音で音楽を聴きたいのなら、音源を聴いてもらえればいい。ライブはあまりにも音楽を聴く以外の側面が強いように思う。その場その場で、一番歌が伝わりやすい方法があれば、それをやればいいのだ。そしておれはそれを選ぶ。伝わるんなら、カラオケでもいいじゃん。

和歌山ライブハウス大作戦の寄合があった。それぞれの考えを聞く。自分の意見を話す。地元ミュージシャン同士、より広い視野で、お互いに高め合えたらと思う。人と何かをやる時、自分の利害を考えてしまうのは、おれにも必ずある。ただこのプロジェクトに関しては、出来るだけ、そういうの抜きにやろうと気をつけたい。アイデアを出す。四月から駅前でやってきたストリートライブは一旦終了することになった。

Rock'in 3man 3daysというツアーをした。三浦雅也(夜のストレンジャーズ)、マサ・タケダ、おれ。その三人で三日間、和歌山、大阪、神戸を旅する。

初日はおれのホームとも言えるBS.Spica。ホストであるのにも関わらず、全く客を呼べていない状態で前日を迎えた。前日、ひたすらメールを送る。おれみたいな好きな歌を歌ってるだけのバンドマンは、何もしなくて勝手に客が来てくれるなんてことは稀なことである。もし、何もしなくて満員になるようなことがあれば、それは誰かが上手くやってくれているだけだ。それが今回のおれの役割ってわけで。メールを送る。メールの返事が来なくなった人もたくさんいる。それでも送る。虚しくなったりもする。ただ、それ以上に今のおれのライブを見て欲しいと願う。それにおれが自信を持って紹介したいミュージシャンを見てもらいたい。願いが通じたのか、小さなバーではあるが満席になった。なんとか形になり、安心する。人の暖かさに救われ、胸がいっぱいになる。あとはみんな楽しんでくれ、それだけで、腕の見せ所である。腕には自信がある。ライブ以外でなにか、嫌な思いをしていないか気を使う。エアコンは効きすぎてないか、飲み物の注文はきちんと通っているか、いい音でやれてるか。ゲストの二人にも楽しんでもらいたい。及ばないところは多々あるかと思うが、出来るだけのことはしたい。

二日目。三浦さんをニッサンのキューブに乗せて大阪に向かう。先輩である。車内ではおれのアイポッドでめんたんぴんがかかっている。話をしていると、三浦さんは日本のロックをあまり聴かないということを知った。詳しいね、と言われおれは得意になる。塚本の駅に着き、三浦さんと入れ替えで、シュガーとクラウチくんに会う。リハーサル前にスタジオに入る、バンドでのライブだ。はじめて行く塚本のスタジオは気のいいおじさんがやってるとてもアットホームなスタジオだった。冷蔵庫にあるジュース、このコップに入れて飲んでね、とそんな調子。カルピスで乾杯、真夏日である。

ハウリンバーに着いてリハーサルをしていると、三浦さん、マサくんと順にやって来た。早速セッションのリハーサルをする。夜のストレンジャーズのカバーを三浦さん本人がスタンディングボーカルで。忌野清志郎のカバーは三人で歌い分けてやる。この前は先輩にバックバンドをやってもらい、今回は先輩のバックバンドをする。充実したバンドライフだ。リハーサルを終えて、メンバー、マサくんとガード下の安い居酒屋に行く。一杯だけだよ、と始まった前打ち上げ、やはり一杯だけではすまないもので、上機嫌である。みんなライブはもちろんきっちりやる、遊びに来てるわけじゃないのだ。

三浦さんが東京で言ってたことを思い出す。三浦さんは少し前にお酒をやめた。やめてから気がついたことらしいのだが、ライブやってヘトヘトになって、やりきってやったぜって。あれ、酒でだめになってただけなのかもしれないねって。酒やめてからヘトヘトになることもなくなった。ヘトヘトにならなきゃロックのライブじゃないって、まぁそれもどうかと思うのは、おれも同じだ。

何年もやってるガルウイングス、トリオでのライブはとても新鮮で、ギターも練習の二割くらいしか弾けてないし、チューニングもガタガタだったけれど、今のおれたちかっこいいんだろうな、という自信だけはあって。そんなライブだった。

三日目は神戸。最終日なので少しは寂しくなったりするのかと思ったが、そんなことなかったのは、また近いうちに会うんだろうなという予感のせいだ。生きていたらまた会えるさ、だから生きていようねって。言葉にせず確認し合うような時間。客入りもまずまずの三日間、成功と言えるだろう。すべてが終わり、はじめて三人で肩を並べてカウンターに座る。おれはマスターのマービィさんと三浦さんの会話を聞いている。互いのサザンソウルの知識量に驚く。おーびぃらいと、さむくっくのはーれむすくえあ、おれはメモを取る。充実した音楽談義をしていたはずなのだが、気がつけば、海でおしっこするかどうかの話になっている。ほんと男ってバカだな。

そしてまたそれぞれの旅に出る。

一日あいて、おれは京都に向かう。大丈夫というバーで投げ銭のライブがあった。共演はヨシムラタカシ、ひろたうた、ミノウラヒロキ。初めて会う人ばかりで、知っているのは店主の西島衛くらいのものだ。衛さんから声をかけてもらった時に、ヨシムラタカシって沖縄にいい奴がいて、繋がり作れたらいいよね、と言ってくれていて、おれは見事にその手中にはまる。まだ探り探りの関係ではあるものの、沖縄に行くことが出来そうだ。また、和歌山にも来て欲しいものである。客はあまり入らなかったが、いい出会いがあった。再会もあった。もう一年以上会っていない友達がなんの連絡もなくやって来た。お前の歌が聴きたくなって、なんて嬉しいことを言ってくれる。引っ越ししたり、結婚したり、 みんな忙しくなっていき、会える時間が少なくなっていくけれど、同じ時代に生きているのだから、その気になれば何度でも会える。そんな年老いたロマンに浸っている。お互いの生活の話をして笑い合う。信じられないよな、お前に子供がいるなんて。

おれは今、寂れた商店街の喫茶店にいて、アイスコーヒーを飲みながら、この文章を書き終えた。表ではアーケードに入り込んでしまったハトを追い出すために、カラスの模型が括り付けられた長い竿を持ったおばあちゃんが格闘している。そこを暴走と背中にプリントされたシャツを来たおじさんが走り抜ける。ぽつんとクマゼミの死骸が落ちている。女子学生が汗で濡れた髪を乾かしながら自転車にまたがる。店主はずっとガラケーを触っている。ひどく冷房のきいた店内で、おれはホットコーヒーにすれば良かったと思っている。



【音楽の隙間ツアー】

7月1日(金)和歌山BS.Spica 終了
7月2日(土)塚本ハウリンバー 終了
7月3日(日)神戸BROTHER&SISTERS 終了
7月5日(火)京都大丈夫 終了
7月9日(土)四日市BAR EAST
7月10日(日)和歌山ぶらくり丁商店街
7月12日(火)岩手FREAKS
7月15日(金)神戸BLUE PORT
7月16日(土)岡山CRAZY MAMA 2nd ROOM
7月17日(日)広島BAR外国
7月18日(月)出雲APPOLO
7月20日(水)大阪FIRELOOP
7月27日(水)和歌山OLDTIME
7月29日(金)京都拾得
7月30日(土)大阪FANDANGO
8月13日(土)四日市EAST
8月20日(土)和歌山OLDTIME
8月21日(日)大阪FANDANGO
8月28日(日)和歌山マリーナシティ
8月31日(水)京都磔磔

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スケジュール
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2016年07月04日

名古屋上陸、そして涙の解散ライブ!!

得三に着くと、メンバーと少し距離を感じるのである。一日でも別行動をしてしまうと、こうなってしまうのか、と思ったが、それだけでもないようである。タムさんはずっと騒音寺をやってる人で、ここには騒音寺の元ドラマーのサウザーさんがいて、現ドラマーの絢太くんがいる。おれやべべひろくんのように騒音寺のファンでバンドをはじめたやつがいる。タムさん、複雑そうである。

リハーサル。とても好きなライブハウス得三であるが、ガルウイングスではいつも音作りに悩んでいた。とてもシビアな音のハコで、どうもハコを鳴らすのが難しいのだ。その点、さすが。HONEY MAKERはしっかりとハコが鳴る。ハコが鳴るってのは、スピーカーからではなく壁から音が聴こえてくるような状態のことだ。

リハーサルを終えて、サウザーさんタムさんとうどんを食べに行く。前にも行ったことがある、小さなうどん屋。特に何を話すわけでもなく、うどんを啜る。店を出て、タムさんはスーパーに寄るというので、おれとサウザーさんはコンビニに寄ってから戻ることにする。そこで、気がついた。あ、タムさんレモン買いに行ったんだ。おれもレモン試してみようと思ってたけれど、コンビニには売っていなくて、気がついた。タイトな人である。

どろだるま。行ってきます!と、楽屋を飛び出し、一番手からぶっとばす若手らしいライブが聴こえてくる。おれはメンバーと楽屋でくつろいでいる。何万回と聴いたロックンロールのスタンダードに似た音楽が聴こえている。おれは少し年をとって来たのかもしれないね。ロックンロール、わくわくすると言うよりは、居心地がいい。どろだるまはステージを終え、楽屋に帰ってくるなり、お喋りである。楽しかったぁ!って騒がしい。ずいぶん懐かしい感じがした。

無線。騒音寺のドラマーの絢太くんのバンドだってことで、気になっていたが、むむ、なかなかややこしい音楽である。タムさんが言う。「IQ高そうな音楽やな、それに比べてどろだるまは…」。おれは知ってる。もうすでに、ライブに向けて準備運動がはじまっているのである。

HONEY MAKER。直前までユダくんがセットリストを考えていた。リハーサルでギブソンどうだった?と新曲の出来をおれに確認してくるのが嬉しかった。新曲をひとつ削っての短いセットリストに決まったようだ。MCでタムさんが言う。「無線のIQ高そうなライブに比べて、どろだるまは…笑。このあと和歌山で最もクレイジーでIQの低いやつが出て来るんでお楽しみに!」。おれはこの人にいったいどれだけのことを教えてもらってきたのだろう。

HONEY WINGS。あっと言う間の解散ライブだ。涙の解散ライブになるかと、ほんの少しだけ期待していたが、なんてことはない、三日間の集大成を叩きつけるようなライブだ。はじめてスタジオで音を合わせてから五回目なのだが、一回一回で確実に、目に見えて成長していくのが楽しかった。おれはそれに乗っかってぶっ飛んでいくだけ。フロントマンとしてかなり高いところまで成長させてもらった。先のIQが低いと言うMCに対し、おれはユダくんの通知表の話をした。「オール1のバカだけど、音楽と美術が5の最高の男です!」この日のoh!!Punksは過去最高の演奏だったと思う。おれとユダくんのツートップ、バンドの中で暴れ回るのが、よく似合う。

アンコールはトンネル抜けて、ハウスキラー、ウルサイ。まだまだやりたい曲がたくさんあった。

得三は終演後そのまま店内が居酒屋になる。おれはお客さんと乾杯し、たくさんの話をした。ふっとタムさんの隣に座った時、タムさんは他のだれに話しかけられても無視で、おれに音楽の話をした。どんなんが好きなの?って今さら。胸がいっぱいになっちまうっす。ボブディランの話、クリームの話。

しばらくはHONEY WINGSのことで頭がいっぱいになってしまう、と思う。

べべひろくんが「ンダさん、悔しいけどめっちゃカッコよかったっす。踊ってしまいました」と抱きつきに来る。ありがとう。おれは戸惑ってしまう。こんな時、気の利いた一言でも言えればいいのだが。とても気になっているフロントマンの一人なのに。

帰り道、とんでもない集中豪雨にあった。今まで経験した中で一番ひどい雨だった。低速で走る。が、数メートル先も見えない。トラックが通るたび数秒間、完全に視界を失う。雷が鳴る。真っ白の視界の中で、高速道路で死んで行ったバンドマンのことを想う。おれは少し、ユダくんに対する気持ちを理解する。おれにとって死んだらとても悲しい。そんな人だ。


  


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2016年07月04日

バンドワゴンは走る。大阪での死闘。

こうして過ごすことによって、バンドのやり方を教えてもらっている。HONEY MAKERといるとそんな感じの気分になる。機材の搬入搬出、移動中に話す内容。おれは些細なひとつひとつを見逃さないようにしている。

機材車に乗り込み京都から大阪に向かう。運転席にユダくん、助手席にタムさん。おれはその後ろにいて、二人の腕がアームレストの上で触れるか触れないかの距離にある景色にバンドワゴンのドラマを感じている。

タムさんがローソンに行きたがるが、ユダくんは「次のローソンね」と、なかなか行かない。次のローソンが近づくとタムさんは「あのローソンの店員、愛想悪いから行かん」と言う。なかなかローソンに着かない。はじめから高速道路に乗る手前のローソンに行くつもりなのだろう。目標のローソンが近づいてくるとユダくんが「やってるかな?」と言い、タムさんが「休みかもしれないね」と言う。なんか、いい雰囲気だ。おれは笑いをぐっとこらえる。

高速道路。タイムテーブルの確認をする。一番目にスキマノザラシ、トリにスリルラウンジ、おれたちは真ん中で持ち時間は二つのバンドを合わせて一時間だ。もっとやりたいよね、やりたいだけやってやろうよ、スリルラウンジいらんのちゃうか?と、先輩バンドに対しても言いたい放題である。こんな風にバンドの士気を高めていく。もちろん、持ち時間は守り、先輩バンドに敬意はあってのことで、みんなが分かっている。こういう京都らしいノリ、おれは嫌いじゃない。

ファンダンゴに着くと、あ、ここおれのホームだ。と思った。確実にいいモチベーションになってる。サウさんは別行動で間に合わないので、リハーサルではスキマノザラシのJさんが叩いてくれた。ライブで見て知っていたけれど、一緒に音を出すと、やっぱすごい。ドラムの鳴らし方はもちろんのことで、めちゃくちゃ勘がいい。おれの新曲、すぐに乗っかってきて、リードしていく。ずいぶんレベルの高いところに紛れ込んでしまったものである。

スキマノザラシ。強烈だ。ライブがはじまるとずいぶん危ない雰囲気になる。ものを投げたり、暴れたり、そんなことをするわけではないが、演奏しているだけで危ない空気だ。ギターにアンボイさん(元サイクロンズ)を迎えて五人組になったスキマノザラシはより一層やばい雰囲気になってた。バンドというひとつの生き物のようである。

HONEY MAKER。先に四人が出て行き、おれがあとで出て行くセットリストになった。スキマノザラシからの流れで聴くとずいぶんスッキリとしたサウンドに感じられた。タイトな演奏だ。そういえば楽屋でタムさんのストイックさに驚いた。ライブ前に口にしていたのは、バナナとレモンと水だけである。レモンが最も疲労回復にいいと言う。そんなストイックさに酔っていると自分でも言ってしまうあたりがタムさんらしい。

呼び込まれてステージに向かう。転換なしのぶっ続けでの出番だ。出遅れないようにトップギアで挑む。最前列にシュガーがいた。メンバーの前で歌うのも、見るのもとても不思議な気分だとは思うが、おれたちにはあまりそんなのがない。とにかくぶっ飛ばす。前日の反省があったので、気合十分。「おれの新しいバンド、よろしく」「こいつら、どうもたいしたことないから、おれもギター弾いちゃうよ」そんなことを言った。セットリストも大幅に変えた。最後、Oh!!Punksからウルサイ。「ユダくん、パンクロックで勝負や!」そう言って、ツートップで暴れまわる。初日から格段に成長している二日目だ。

スリルラウンジ。ほとんど見れていない。楽屋でメンバーと話し込んでいたのである。とはいえ、ファンダンゴの楽屋にはフロアの音は筒抜けである。リハーサルで聴いた今井さんのギターは、男の子なら一度は鳴らしてみたいそのまんまの音だ。かっ飛ばしてるなぁ、そんなことをたまに話しながら、缶ビールで乾杯している。ライブが楽しかったのだ。明日は得三をめちゃくちゃにしてやろうぜ、そんな意気込みでいる。

打ち上げ。HONEY MAKERを見送り、別行動。明日の入り時間を確認して、おれは居残り、これもバンドマンらしい気がしている。加藤さんの顔を見ると、どうしても飲みに行きたくなる。スキマノザラシのJさん、ブロさんと馴染みの中華料理屋に行って待つ。加藤さん、村上くんがやってくる。夜の深いところまで長居して盛り上がってしまったが、特に実のある話をしなかった。刺青の話をよくした。刺青入ってると銭湯で、絶対に下半身を注目されるって話。スミ、ち○こ、スミ、ち○こ、とおっさん達でバカ話だ。

ひとつだけ、聞き逃さなかったこと。ガルウイングスのこれからのメンバーの話をしていた時に、Jさんが言った一言。「ドラマーは自分のことで精一杯のやつらの後ろで叩きたいとは思わんねん。」この一言。おれはJさんに初めてアドバイスしてもらえて嬉しい気持ちになった。厳しい一言だが、確かな一言だと思った。おれはこんなもんじゃやっていけない、身の引き締まる思いである。「だいたいのことはどうでもいいねん、自分のこと好きすぎやろ、自分?」とまた厳しいことを言う。そしてまた、スミ、ち○こ、スミ、ち○こ。たしかに、見てしまうよね。

あぁ、やっぱ悔しいなぁ。



◼︎百憶の瞬間ツアー◼︎
6/3 和歌山GATE 終了
6/4 田辺クロスタ 終了
6/5 徳島CROWBAR 終了
6/6 高松TOONICE 終了
6/7 松山星空JETT 終了
6/8 和歌山駅西口 終了
6/10 和歌山OLDTIME 終了
6/11 尾道B×B 終了
6/12 和歌山ノーリツアリーナ 終了
6/15 東京THE SHOJIMARU 終了
6/16 横浜音小屋 終了
6/17 和歌山BS.Spica 終了
6/18 四日市カリー河 終了
6/22 京都磔磔 終了
6/23 十三FANDANGO 終了
6/24 名古屋得三
6/25 和歌山GATE
7/1 和歌山BS.Spica
7/2 大阪ハウリンバー
7/3 神戸BROTER&SISTERS
7/9 四日市EAST
7/15 神戸BLUE PORT
7/16 岡山CRAZY MAMA
7/18 出雲APPOLO
7/29 京都拾得
7/30 十三FANDANGO

詳しくは
スケジュール
http://goo.gl/YFvNwi  


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2016年07月01日

初ライブは磔磔!伝説のライブハウスでおれたちは…

初日の磔磔はリハーサル時間が二時間、かなり多めにとってもらっていた。磔磔で練習だなんて、最高に贅沢だ。家のキッチンでチャーハン作るのと、中華料理屋の厨房でチャーハン作るくらい違う。スタジオでなんとなく気になっていたこと、あっさりとクリアしたように思った。磔磔の空気は、短時間でもバンドを確実に成長させてくれる。あとはお客さんを待つだけだ。

楽屋で準備をする。HONEY MAKERはアーティスト写真を撮っている。おれはそれを眺めながら、脚を組み替えてみては?とか、なんか言ってみる。ひまなのだ。ひまそうにしてると、ンダくんも入ってHONEY WINGSの写真も撮ろうってことになる。

出番はHONEY WINGSが先だ。前日に決まったSEがかかる。行くぜ。と、階段を駆け降りようとした時、サウさんが慌てている。どうやら出番の順番を間違えて覚えていたらしくHONEY MAKERの衣装だったのだ。慌てて着替える。おれたちは笑って待っている。もし、これがおれをリラックスさせるために計算でやっていることだとしたら凄いと思ったが、たぶんそんなことないのであろう。

こんばんわ、HONEY WINGSです!と、開口一番。立て続けに三曲。HONEY WINGSとHONEY MAKERのツーマンなので、客席のほとんどがHONEY MAKERのファンだ。おれは少し空気に飲まれそうになる。デビューライブ、まだ掴めていないことだらけで、いろんなことを試してみる。それはお客さんも同じだったように思う。どんな風に感じればいいのか分からない、ただそれがデビューライブってものだ。確かなものをひとつでも手に入れようとワンステージを過ごした。

続いてHONEY MAKER。今度はおれが歌うぜー!とユダくん。さすが磔磔の鳴らし方をよく分かっている。平日、少し重たい空気の磔磔である。それをじわじわと晴らしていく。音で、喋りで、グルーヴで、おれはとんでもないバンドにバックやってもらっているんだなと感動する。

アンコール、おれたちのバンドの最高のフロントマンを紹介するぜー!と、おれは呼び込まれて三曲のセッション。ビーサン、溶けちまいたい、どうしようかな。最後の最後、どうしようかなのイントロのギター、ユダくんのギターでドカンと閃いた。ここで、おれはHONEY WINGSを理解した。この感じだね。

楽屋に戻る。ユダくんから「気を使わなくていいから、もっと自由にやっちゃってね、明日、ファンダンゴめちゃくちゃにしてやろうぜッ」と言われた。おれは最高のフロントマンだ、だから、これは最も恥ずかしいダメ出しである。悔しい、悔しいが、まだ明日がある。よーし、やってやろうじゃないか。へへ、ギリギリだけど、おれは確信を掴んだんだ。

物販で新譜が売れる。ライブで演奏していない曲だけど、買ってくれるなんて、嬉しいものだ。しのやんに、こうやって見てみるとガルウイングスってガチャガチャしてたんだね、悪い意味じゃないけど、と言われる。あまりにもそのまんまのことを言われたので、笑ってしまった。

磔磔からはHONEY MAKERの機材車でユダくんの家まで送ってもらう。明日の話をする。今日は実質ワンマンみたいなもので、明日からは対バンがいる。対バンがいるってなるとニヤけてもいられない。勝負だ。あと二日間、絶対にものにしたいことがあるのだ。




◼︎百憶の瞬間ツアー◼︎
6/3 和歌山GATE 終了
6/4 田辺クロスタ 終了
6/5 徳島CROWBAR 終了
6/6 高松TOONICE 終了
6/7 松山星空JETT 終了
6/8 和歌山駅西口 終了
6/10 和歌山OLDTIME 終了
6/11 尾道B×B 終了
6/12 和歌山ノーリツアリーナ 終了
6/15 東京THE SHOJIMARU 終了
6/16 横浜音小屋 終了
6/17 和歌山BS.Spica 終了
6/18 四日市カリー河 終了
6/22 京都磔磔 終了
6/23 十三FANDANGO
6/24 名古屋得三
6/25 和歌山GATE
7/1 和歌山BS.Spica
7/2 大阪ハウリンバー
7/3 神戸BROTER&SISTERS
7/9 四日市EAST
7/15 神戸BLUE PORT
7/16 岡山CRAZY MAMA
7/18 出雲APPOLO
7/29 京都拾得
7/30 十三FANDANGO

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水島ボスとおれ。  


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2016年06月28日

ンダ、京都へ。HONEY WINGSスタジオ。

ひた走った六月前半、さすがに疲れがたまっていたのか、和歌山にいる時間はほとんど眠っていた。これから続くツアーに向けて荷造りをする。旅先でもらった音源を聴く。京都に着いたのはギリギリの時間だった。三日間だけの特別なバンド、HONEY WINGSの最終リハーサルである。

テイクワンという老舗な雰囲気が漂うスタジオの階段を一段ずつ登る。ここで騒音寺がレコーディングをした、ハニーもここ、名だたる京都のバンドマンの足音に耳をすませながら、おれは階段を一段ずつ丁寧に登った。

なんか元気ないね?と、ユダくんが言う。おれは明日に控えたこのバンドの初舞台に少しナイーブになっている。ただ、サウさんがよく喋るので、すぐにリラックスすることができる。リョウくんはみんなの話に一生懸命耳を傾けている。タムさんは、気になるところをシンプルに尋ねてくる。おれは前回のスタジオより確実に上手くなっているバンドに感心している。

明日からよろしく!そう挨拶し、おれはユダくんの家に行く。大きな神社の傍にあるボロアパートで、おれは居心地がいい。玄関に乱雑にギターのハードケースが積み上げられていて、いかにもギタリストの部屋って雰囲気だ。ビールで乾杯、あとは奄美大島の焼酎をやっつけはじめる。

ひとつのバンドとしてやりたいしね、SE何にしようかって、そんな話をする。バンドがはじまるって、いつも胸が踊る。おれはどうしてもユダくんとはパンクロックがやりたいと思っていたので、THE CLASHがいいと言う。コンバットロックをひと通り聴き、ロンドンコーリングに替える。hatefullがかかった時、これだ!と思ったら、ユダくんがこれにしよう!と言った。


俺の友達はどんな奴かって?
寂しさを紛らわせてくれる奴なんだ
しかも欲しいものはすべてくれるよ
自由以外はね。憎むべきことだけど。
だけど俺の為。
そうさここは居心地いいよ。
〜〜


おれたちには最高によく似合う気がした。

  


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2016年06月28日

ンダ、ラジオ出演。そしてアロチに行く。

エレベーターのボタンがなかなか反応してくれなくて、何度も押している姿が滑稽に思えて来た頃、受付の女性に「最近、接触悪いんですよ」と教えられ、少し救われた。四階にに上がると芸人コンビ073ののりちゃんがいた。のりちゃんは驚くほど腰が低く「いつもラジオでテーマ曲使わせてもらっててありがとうございます!」と元気よく挨拶してくれる。和歌山放送にやってきた。

月に一度か、二ヶ月に一度、それくらいの頻度でゲストに呼んでもらっている服部直樹の全開!月曜日という番組で、旅の話やオススメのレコードを紹介したり、好きにやらせてもらっている。今回はギターのリフが同じ、というテーマで三曲。チャックベリーの30DAYSのギターソロ、これがルースターズの恋をしようよのソロと同じ。恋をしようよのイントロのリフが、騒音寺のタクシー!タクシー!と同じ。そんな話を音源をかけながらパクリではなく、伝統芸能なのだと説明した。昼の番組でこんなマニアックなテーマ、誰がおもしろいのかは分からないが、どうも番組のパーソナリティやスタッフは気に入ってくれているようだ。

入れ違いで大峯章嗣がやって来る。章嗣さんはユウマという爽やかな若者を連れてきた。歌うたいだと言う。あ、おれは気づいた。和歌山駅でストリートをやる時、たまに見かけるやつだ。どうも。おれは放送席を離れ、番組を眺めている。ADのチェリーさんに言われ、最後にまた放送席に入り、少し騒ぐ。



服部さんから「このあと時間あるか?」と訊かれ、おれはもちろんそのつもりである。男四人でアロチに向かう。ユウマの車に揺られる。三代目ソウルブラザーズのCDが置かれている車に初めて乗ったと思う。服部バンドのベースの中畑さんが最近オープンしたと言うバーに着く。

中畑さんと服部さんは昔からの腐れ縁で、服部さんの昔のバンド、ゲッツのCDを聴かせてもらう。いい感じにダサいっすね、と言うと笑いながら頭を叩かれた。

しばらくするとカラオケ大会になった。服部さんはARBのさらば相棒を歌う。こんなにも歌うたいが集まってカラオケと言うのも珍しいもので、変な盛り上がりである。おれはCLASSの夏の日1993を歌う。章嗣さんは尾崎豊、ユウマはなんだか分からない若い歌を歌っていた。

気がつけば深夜である。雨降る街を傘もささずに歩く。もう少し、酔っ払っていたい、誰かに会いはしないかと、そんな和歌山での一日。  


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2016年06月27日

ンダ、四日市へ。カリー河

また鈴鹿の渋滞に捕まった。玉突き事故である。余裕を持って家を出ても、なぜか到着がギリギリになることの多いおれなので、事故なんかがあると、確実に遅刻になる。もう。この世界、遅刻しなければほとんどの仕事は終わったと考えていい、という話を聞く。この世界というのは大人の世界すべてなのだろう。大人にならなければ、と思いながら、また渋滞に捕まっている。

カリー河に着くと花田さんのリハーサルが終わっていた。博多のロック、という本を静かに読んでいる。胸がいっぱいになる。前回のことを踏まえると、確実にもう居酒屋に移動したい時間であろう。手早くリハーサルをすませると、お待たせしました、と、近くの居酒屋に向かう。主催の子守さんを交えて三人で乾杯、いわゆる前飲みである。おれは普段あまり前飲みをしないが、なぜか四日市にはそういう魔力があるようである。花田さんが二階堂飲んでいて、おれはそれを覚えようとする。そんなファンである。はじめだけね、とビールを注いでもらう。ハマチおいしいよ、と勧められる。ヤフオクやってる?と突然尋ねられる。笑

おれ。集まったお客さんのほとんどが花田さんファンである。おれは花田さんリスペクトを込めたライブと、自分のロックを伝えるライブと、そんな間で揺れ、宙ぶらりんなライブをしてしまったように思ったが、バンドブーム直撃世代の人が多く、案外広く受け入れられた。CDが3枚売れた。四日市で、花田さんと一緒にやりたい人なんてごまんといるだろう、そんな人からはなんで和歌山のやつが一緒に出てるんだよ、ンダって誰だよって。どこかでそんな風に思われているのだろうけれど、それでもおれを呼んでくれる子守さんがいて、おれは応えなければならない。気の小さい話であるが、それはおれのモチベーションにもなる。

花田裕之。あのルースターズの花田さんである。ほとんど喋ることなく淡々とオリジナルやカバーを披露する。これでなんでお客さん来てくれるのか分からない、と本人が以前話していたが、おれは分かる。冨士夫さんのナンバーを演奏する前に、なにも話をしないのがかえって、物語が伝わって来る。ジョニー大倉さんのナンバーで、とキャロルのShe Blong To Himをやる。なんて優しい空気。アンコール前にサプライズ、花田さんに誕生日ケーキが贈られる。照れくさそうに、なにも言わず歌い始める。祝いの言葉が胸をつかえ、あたりに飛び出した、僕を見捨てないで、旅から旅へ、人から人へ、あきれるくらい寂しさを感じない。そんな内容の歌。スカッとするくらいの、歌での返答である。

終わって、店で飲む。花田さんと話そうと側にいたものの、すぐにファンに囲まれてしまうので、おれは席を離れカレーを食べていた。向かいにいたクセの強そうな女性と話をする。かつてインドネシアに10年間住んでいたという。やはり、クセあると思った。日本でヒッチハイクで旅をした話を聞く。長野県に鬼無里と言う村があり、そこから戸隠神社というところに行きたかったのだが、バスがない。隣町なのにである。その理由を村の人に聞いてみると、昔から種族が違うので交流がなかったと、そんな話、おれが好きなやつだ。

花田さんのところに行き、旅の話や機材の話をする。するとまた、ファンに呼ばれている。「花田さん、こっち来て喋ろうよー、元気ないの?」と言われ、無視をする。ええー!無視!と思ったけれど、花田さんならなんかそれでもいい感じがした。そして眠った。笑。(眠ったふりだが)。

そんな寡黙な花田さんだが、サンハウスの菊さんとロンウッドが同い年だという話をしていた時に爆笑していた。「柴山さんと、ロンウッド!ははは、柴山さんと、ロンウッド!69歳!ロック!」。とても嬉しそうだ。



日を跨ぐ頃におれは店を出た。
マサくんから電話がかかってくる。ハウリンバーでユダくんとナベジさんと一緒で、すごく良かったよ、まだ盛り上がってるって、そんな話。twitterを眺め、楽しそうにセッションしている写真を見た。ほんとみんな、旅から旅へってやつだ。

◼︎百憶の瞬間ツアー◼︎
6/3 和歌山GATE 終了
6/4 田辺クロスタ 終了
6/5 徳島CROWBAR 終了
6/6 高松TOONICE 終了
6/7 松山星空JETT 終了
6/8 和歌山駅西口 終了
6/10 和歌山OLDTIME 終了
6/11 尾道B×B 終了
6/12 和歌山ノーリツアリーナ 終了
6/15 東京THE SHOJIMARU 終了
6/16 横浜音小屋 終了
6/17 和歌山BS.Spica 終了
6/18 四日市カリー河 終了
6/22 京都磔磔
6/23 十三FANDANGO
6/24 名古屋得三
6/25 和歌山GATE
7/1 和歌山BS.Spica
7/2 大阪ハウリンバー
7/3 神戸BROTER&SISTERS
7/9 四日市EAST
7/15 神戸BLUE PORT
7/16 岡山CRAZY MAMA
7/18 出雲APPOLO
7/29 京都拾得
7/30 十三FANDANGO

詳しくは
スケジュール
http://goo.gl/YFvNwi  


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