2016年07月04日

バンドワゴンは走る。大阪での死闘。

こうして過ごすことによって、バンドのやり方を教えてもらっている。HONEY MAKERといるとそんな感じの気分になる。機材の搬入搬出、移動中に話す内容。おれは些細なひとつひとつを見逃さないようにしている。

機材車に乗り込み京都から大阪に向かう。運転席にユダくん、助手席にタムさん。おれはその後ろにいて、二人の腕がアームレストの上で触れるか触れないかの距離にある景色にバンドワゴンのドラマを感じている。

タムさんがローソンに行きたがるが、ユダくんは「次のローソンね」と、なかなか行かない。次のローソンが近づくとタムさんは「あのローソンの店員、愛想悪いから行かん」と言う。なかなかローソンに着かない。はじめから高速道路に乗る手前のローソンに行くつもりなのだろう。目標のローソンが近づいてくるとユダくんが「やってるかな?」と言い、タムさんが「休みかもしれないね」と言う。なんか、いい雰囲気だ。おれは笑いをぐっとこらえる。

高速道路。タイムテーブルの確認をする。一番目にスキマノザラシ、トリにスリルラウンジ、おれたちは真ん中で持ち時間は二つのバンドを合わせて一時間だ。もっとやりたいよね、やりたいだけやってやろうよ、スリルラウンジいらんのちゃうか?と、先輩バンドに対しても言いたい放題である。こんな風にバンドの士気を高めていく。もちろん、持ち時間は守り、先輩バンドに敬意はあってのことで、みんなが分かっている。こういう京都らしいノリ、おれは嫌いじゃない。

ファンダンゴに着くと、あ、ここおれのホームだ。と思った。確実にいいモチベーションになってる。サウさんは別行動で間に合わないので、リハーサルではスキマノザラシのJさんが叩いてくれた。ライブで見て知っていたけれど、一緒に音を出すと、やっぱすごい。ドラムの鳴らし方はもちろんのことで、めちゃくちゃ勘がいい。おれの新曲、すぐに乗っかってきて、リードしていく。ずいぶんレベルの高いところに紛れ込んでしまったものである。

スキマノザラシ。強烈だ。ライブがはじまるとずいぶん危ない雰囲気になる。ものを投げたり、暴れたり、そんなことをするわけではないが、演奏しているだけで危ない空気だ。ギターにアンボイさん(元サイクロンズ)を迎えて五人組になったスキマノザラシはより一層やばい雰囲気になってた。バンドというひとつの生き物のようである。

HONEY MAKER。先に四人が出て行き、おれがあとで出て行くセットリストになった。スキマノザラシからの流れで聴くとずいぶんスッキリとしたサウンドに感じられた。タイトな演奏だ。そういえば楽屋でタムさんのストイックさに驚いた。ライブ前に口にしていたのは、バナナとレモンと水だけである。レモンが最も疲労回復にいいと言う。そんなストイックさに酔っていると自分でも言ってしまうあたりがタムさんらしい。

呼び込まれてステージに向かう。転換なしのぶっ続けでの出番だ。出遅れないようにトップギアで挑む。最前列にシュガーがいた。メンバーの前で歌うのも、見るのもとても不思議な気分だとは思うが、おれたちにはあまりそんなのがない。とにかくぶっ飛ばす。前日の反省があったので、気合十分。「おれの新しいバンド、よろしく」「こいつら、どうもたいしたことないから、おれもギター弾いちゃうよ」そんなことを言った。セットリストも大幅に変えた。最後、Oh!!Punksからウルサイ。「ユダくん、パンクロックで勝負や!」そう言って、ツートップで暴れまわる。初日から格段に成長している二日目だ。

スリルラウンジ。ほとんど見れていない。楽屋でメンバーと話し込んでいたのである。とはいえ、ファンダンゴの楽屋にはフロアの音は筒抜けである。リハーサルで聴いた今井さんのギターは、男の子なら一度は鳴らしてみたいそのまんまの音だ。かっ飛ばしてるなぁ、そんなことをたまに話しながら、缶ビールで乾杯している。ライブが楽しかったのだ。明日は得三をめちゃくちゃにしてやろうぜ、そんな意気込みでいる。

打ち上げ。HONEY MAKERを見送り、別行動。明日の入り時間を確認して、おれは居残り、これもバンドマンらしい気がしている。加藤さんの顔を見ると、どうしても飲みに行きたくなる。スキマノザラシのJさん、ブロさんと馴染みの中華料理屋に行って待つ。加藤さん、村上くんがやってくる。夜の深いところまで長居して盛り上がってしまったが、特に実のある話をしなかった。刺青の話をよくした。刺青入ってると銭湯で、絶対に下半身を注目されるって話。スミ、ち○こ、スミ、ち○こ、とおっさん達でバカ話だ。

ひとつだけ、聞き逃さなかったこと。ガルウイングスのこれからのメンバーの話をしていた時に、Jさんが言った一言。「ドラマーは自分のことで精一杯のやつらの後ろで叩きたいとは思わんねん。」この一言。おれはJさんに初めてアドバイスしてもらえて嬉しい気持ちになった。厳しい一言だが、確かな一言だと思った。おれはこんなもんじゃやっていけない、身の引き締まる思いである。「だいたいのことはどうでもいいねん、自分のこと好きすぎやろ、自分?」とまた厳しいことを言う。そしてまた、スミ、ち○こ、スミ、ち○こ。たしかに、見てしまうよね。

あぁ、やっぱ悔しいなぁ。

バンドワゴンは走る。大阪での死闘。

◼︎百憶の瞬間ツアー◼︎
6/3 和歌山GATE 終了
6/4 田辺クロスタ 終了
6/5 徳島CROWBAR 終了
6/6 高松TOONICE 終了
6/7 松山星空JETT 終了
6/8 和歌山駅西口 終了
6/10 和歌山OLDTIME 終了
6/11 尾道B×B 終了
6/12 和歌山ノーリツアリーナ 終了
6/15 東京THE SHOJIMARU 終了
6/16 横浜音小屋 終了
6/17 和歌山BS.Spica 終了
6/18 四日市カリー河 終了
6/22 京都磔磔 終了
6/23 十三FANDANGO 終了
6/24 名古屋得三
6/25 和歌山GATE
7/1 和歌山BS.Spica
7/2 大阪ハウリンバー
7/3 神戸BROTER&SISTERS
7/9 四日市EAST
7/15 神戸BLUE PORT
7/16 岡山CRAZY MAMA
7/18 出雲APPOLO
7/29 京都拾得
7/30 十三FANDANGO

詳しくは
スケジュール
http://goo.gl/YFvNwi



Posted by ンダ at 19:03│Comments(0)
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。